阪大理系数学'24年前期[3]

空間内の2直線mはねじれの位置にあるとする。mの両方に直交する直線がただ1つ存在することを示せ。


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解答 京大理系24[3]と同じような問題ですが、こちらは証明問題になっています。
「存在する」ことの証明は、どうすれば題意のものを得られるか、その手順を説明することによって行うことができます。以下では、その解法と、
2直線上の点の最短距離を与える2点を結ぶ直線がその2直線に垂直になるという事実に基づく方法と、2通りの方法で解答してみます。なお、空間ベクトルを参照してください。

[解法1] 空間内の2つのベクトルが、1次独立、つまり、かつかつだとします。外積は、
となります。とすると、となり、()となってしまうので、です。
となるので (内積を参照),同様に、となるのでで、()の双方に垂直なベクトルです。で張る平面上のベクトルでないことは明らかですが、確かめておくと、仮に、stを実数として、
とおけたとします。より、
より、
よって、 ∴
のなす角をθとして、
 ∴

1次独立でなくなるので、とおくことはできず、で張る平面上のベクトルではなく、1次独立です。 ・・・()

空間内の2直線mはねじれの位置にあるので、2直線mの方向ベクトルは平行ではなくかつ零ベクトルでなく、()とすると、()より、であって、1次独立です。直線を含みに平行な平面αとします。

平面
αは、直線mとただ1つの交点Pを持ちます(交点を持たなければ、//αとなり、1次独立であることに反します。また、平面と直線が複数の交点を持つことはありません)
Pを通りを方向ベクトルとする直線は、平面α内の直線であって、直線とただ1つの交点Qを持ちます(交点を持たなければ、//となり1次独立であることに反します。また2直線が複数の交点を持つことはありません)//であり、より、より、mの両方に直交する直線がただ1つ存在します。

[解法2] 上述したもう1つの考え方で解答します。
計算を簡単にするため、直線
mが原点を通るように全体を平行移動し、直線mの方向ベクトルを満たし、両ベクトルのなす角がθ,つまり、だとします。2直線mはねじれの位置にあるのでです。直線上の1点を指すベクトルをとすると、空間内の2直線のベクトル方程式を、
直線
直線
m
と表すことができます。直線上の点と直線m上の点の距離の2乗は、

 ()

 ()
これは、
かつ ・・・(**)
のときに最小値をとります(2次関数の最大・最小を参照)。このとき、

 ()
よって、です。 ・・・@
 ()
ここで(**)より、,これを代入すると、
よって、です。 ・・・A
直線上の点と直線
m上の点の距離の最小値を与えるts(**)のただ1つで存在し、このとき直線上の点と直線m上の点を結ぶ直線はただ1つに定まります。この直線は、@,Aより、直線と直線mの双方に垂直です。即ち、mの両方に直交する直線がただ1つ存在します。



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