慶大理工数学'22[2]

rを正の実数とし、円,楕円を考える。
(1) と楕円の共有点が存在するようなrの値の範囲はである。

(2) のとき、の共有点の座標をすべて求めるとである。これらの共有点のうちy座標が正となる点のy座標をとする。連立不等式
の表す領域の面積はである。

(3) 連立不等式
のあらわす領域をDとする。Dy軸のまわりに1回転させてできる立体の体積はである。


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解答 定型的な計算問題です。面倒なことにならないように、要領の良い考え方で進めましょう。

(1) の式から、の式に代入すると、


 ・・・@ (2次方程式を参照)
判別式: ・・・A
より、
が共有点を持つために、
2次方程式@がの範囲に解を持てばよい(2次方程式の一般論を参照)わけです。 ・・・()
 ・・・B
として、の軸の位置についてなので、()のために、かつが条件です。
よって、A,Bより、かつ
より、
......[]5 ......[]
別解.楕円上の点の座標θを実数としてと置くことができます。楕円上の点と の中心との距離の2乗は、
 ・・・A (三角関数を参照)
より、は、のとき最小値のとき最大値25をとります(2次関数の最大・最小を参照)が共有点を持つために、円の半径の値の範囲は、

(2) のとき@は、

のとき、の式より、 ∴
のとき、の式より、 ∴
の共有点は、 ......[]
別解.(1)の別解で、とすると、
 ∴ (において、)
としても求められます。

です。右図のように、とで1辺の長さ1の正三角形ができるので、領域は、半径1の円のとなる扇形2(右図黄緑色着色部)と、1辺の長さ1の正三角形(右図黄色着色部)に分けることができます。その面積は、
......[]

(3) について、より、 (複号の正は円のの部分、複号の負は円のの部分を表します)
について、より、 (楕円のの部分を表すのは、複号が正の場合です)
領域Dは、円の内側で楕円の外側であってx軸から上の部分です(右図水色着色部)。領域Dy軸のまわりに1回転させると、円の右側 ()を回転させたものから、楕円 ()を回転させたものと、円の左側 ()を回転させたものとをくり抜いた立体になります。求める体積Vは、(y軸のまわりの回転体を参照)
は、半径1の円の面積ので、 (置換積分(その2)を参照)
は、半径1の円の面積のから、底辺,高さの三角形の面積を引いたもので、

 (定積分を参照)
よって、
......[]



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