東工大数学'23年前期[3]

実数が書かれた3枚のカードから、無作為に2枚のカードを順に選び、出た実数を順に実部と虚部にもつ複素数を得る操作を考える。正の整数nに対して、この操作をn回繰り返して得られるn個の複素数の積をで表す。

(1) となる確率を求めよ。
(2) が実数となる確率を求めよ。


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解答 (2)n回の操作の各回にできる複素数の2乗が全部実数であればよい、と錯覚し易いですが、という具合に、実数でない複素数同士の積が実数になる場合を考慮する必要があります。

n回の操作の各回にできる複素数αとします。
各回の操作のカードの引き方は、以下のように通りあります。
01と引くと、です。
0と引くと、です。
10と引くと、です。
1と引くと、です。
0と引くと、です。
1と引くと、です。

(1) の各々について、となり、各回の6通りのカードの引き方のうち、は、12通り、2通り、22通りあります。
は各回にできる複素数の絶対値の積です。
のとき、は高々
4で、カードの引き方にかかわらずとなるので、確率
のとき、となるのは、
(i) n回全て、となる(確率)場合が、
(ii) n回のうちとなり、1回だけまたはとなる(確率)場合が、n回のうちどの1回かが通りあり、
(iii) n回のうちとなり、2回、または、となる場合が、n回のうちどの2回かが通りあり、
求める確率は、
 (のときも成立) .....[]

(2) が実数かどうかだけを問題にしているので、は確率には影響しないことに注意します。の各々について、は、
となります。6通りのαに対して、134通りのが実数です。残る2通りのについて、極形式で表すと、

とおくと、より、
は各回の操作でのをかけあわせたもので、 (1の累乗根を参照)に注意すると、m0以上の整数として、の中で、β回かけあわされていれば、は実数になります。β回、あるいは回かけあわされている場合は、は虚数になります。
そこで、
n回操作後、の中で、β回かけあわされている確率を()β回かけあわされている確率をβ回かけあわされている確率をとすると、
 ・・・@
であって、のとき、が実数であるのが4通り、1通り、1通りで、 ・・・A
回目で、の中に
β回、あるいは回かけられているのは、の中でβ回かけられていてのいずれかをにかけるとき(確率)、あるいは、の中でβ回かけあわされていてにかけるとき(確率)、あるいは、の中でβ回かけあわされていてにかけるとき(確率)で、
@よりを代入すると、
 ・・・B (2項間漸化式を参照)
xとおくと、
・・・C
B−Cより、
は、Aより初項,公比等比数列です。よって、
より、
......[]



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