電通大数学'08年後期[2]
関数,を用いて
, と媒介変数表示されるxy平面上の曲線をCとする。このとき、以下の問いに答えよ。
(1) に対応するC上の点の座標を求めよ。 (2) の範囲でとの増減を調べ、曲線Cのに対応する部分の概形を描け。 (3) C上の点をx軸に関して対称移動するとC上の点に移ることを示せ。
(4) C上の点を原点を中心としてだけ回転すると、C上の点に移ることを示せ。 (5) 曲線Cの概形を描き、Cで囲まれる部分の面積Sを求めよ。
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解答 曲線C上の点Pの座標は、
と書けるので、半径2の円周上の点Q,として、
です。曲線Cは、右図のように、半径3の円周の内側を滑ることなく接触を保ちながら転がる半径1の円(はじめ右図Aでと接していた)上の点P(はじめAにいた)が描く曲線です。ハイポサイクロイドと呼ばれています。
......[答] ......[答] ......[答]
θ がのとき、x座標は減少しy座標は増加する(関数の増減を参照)ので、点Pはからまで、左上に向かって進んでいきます。
曲線Cのに対応する部分の概形は右図黒線。
(3) C上の点はと表せるので、C上の点がC上に移るということは、移った先の点もという形に書ける、ということです。 C上の点をx軸に関して対称移動するとに移ります。 となるので、移った先もC上の点です。つまり、C上の点をx軸に関して対称移動するとC上の点に移ります。
(4) 原点を中心とする角の回転を表す行列は、です(1次変換を参照)。 この回転移動によって、C上の点は、 と変形すると、
となるので、C上の点に移ります。
・・・@ のとき、曲線Cの接線の傾きは、 より、0に近づきます。を通る傾き0の直線は、,つまり、x軸です。
のとき、曲線Cの接線の傾きは、 より、に近づきます。を通る傾きの直線: は原点を通ります。(4)から考えると、この点で曲線Cは尖っている(尖点と言います)ことがわかります。また、点,点も尖点です。曲線Cの概形は右図黒線。
注.上記で「,のときの接線の傾き」としないのは、で、,において、媒介変数表示された関数:, (xの関数y)は、微分可能ではないからです。また、凹凸も調べるために、を計算してみます。媒介変数表示された関数では、工夫が必要です。ですが、@を見ると、はθ の関数の形で表されているので、合成関数の微分法を使って、θ で微分し、を後でかけることになります。は、逆関数の微分法の公式より、です。 においては、(2)のの増減表よりなので、より、曲線Cは下に凸です。試験会場では、ここまで調べなくても、に対応するC上の点から概形を描くことができるでしょう。
面積は、曲線Cの対称性を利用して、右図で、曲線Cと線分OA,線分OBで囲まれる部分(黄色着色部分)の面積を3倍することにします。は曲線Cのの部分とx軸、直線で囲まれる部分の面積から右図の三角形OBH(水色着色部分)の面積を引くことにより求めます。 x,yとも媒介変数θ で表されているので、θ の積分に変えるために置換積分します。とおくと、,,x:のとき、θ: ......[答]
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