慶大理工数学'10[B1]

aを正の定数とし、座標平面上の曲線Cと直線lを考える。
(1) 曲線Cと直線lがただ1つの共有点Aをもつとき、定数aの値と点Aの座標を求めなさい。求める過程も書きなさい。
(2) (1)のとき、曲線C,直線l,およびy軸で囲まれる図形をy軸のまわりに1回転してできる回転体の体積Vを求めなさい。求める過程も書きなさい。
(3) a(1)で求めた値より小さい正の定数とする。このとき、直線lは曲線Cと共有点をもたない。点Pが曲線C上を動き、点Qが直線l上を動くとき、線分PQの長さが最小となるのは、点Pの座標がのときである。この点Py軸上にあるのはのときであり、このとき最小の線分の長さを求めるととなる。


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解答 この問題も教科書の例題レベルの問題です。(3)[A3]と同一趣旨の問題です。

(1) 曲線Cは下に凸な曲線なので、曲線Cと直線lがただ1つの共有点をもつとき、直線lは曲線C接線になっています。
C
直線lCの接線になるとき、接線の傾きはaなので、
 ・・・@

接点はC上の点であってかつl上の点なので、そのy座標について、
 ・・・A
よって、より、接点のx座標は、
接線の傾きaは、@より、
......[]
接点のy座標は、Aより、
共有点Aの座標は、 ......[]
別解.定数aの分離によっても解答できます(微分法の方程式への応用(2)を参照)
Clの方程式を連立して、
はこれを満たさないので、xで割って、
 ・・・B
Clがただ1つの共有点をもつとき、方程式Bもただ1つの実数解をもち、この実数解が共有点のx座標になります。
とおいて、
とすると、
x
0

×0
×

より(関数の増減を参照)のとき方程式Bはただ1つの実数解をもち、接点のx座標はになります。

(2) (1)のとき、直線lは、 となります。求める体積Vは、底面が半径の円で高さeの円錐の体積から、曲線Cy軸と直線で囲まれる部分をy軸のまわりに回転させた回転体の体積を引いたものになります(y軸のまわりの回転体を参照)
両辺の対数を考え、
 (部分積分法を参照)


......[]

(3) 線分PQの長さが最小になるのは、Pにおいて曲線Cに傾きaの接線が引けるときで、(1)の@,Aと同様にして、接点のy座標は、
この両辺の対数を考えると、
接点のx座標は、
線分
PQの長さが最小となるときのPの座標は、 ......[]
Py軸上にあればx座標は0で、
......[]
このとき、Pの座標は,最小の線分の長さは、Pと直線lとの距離として、
......[] (点と直線の距離を参照)


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