東工大数学'22年前期[3]
αはを満たす実数とする。およびを満たす直角三角形APBが、次の2つの条件(a),(b)を満たしながら、時刻から時刻までxy平面上を動くとする。
(a) 時刻t での点A,Bの座標は、それぞれA,Bである。 (b) 点Pは第一象限内にある。
このとき、次の問いに答えよ。
(1) 点Pはある直線上を動くことを示し、その直線の方程式をαを用いて表せ。
(2) 時刻から時刻までの間に点Pが動く道のりをαを用いて表せ。
(3) xy平面内において、連立不等式
, により定まる領域をDとする。このとき、点Pは領域Dには入らないことを示せ。
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解答 点Aを通る直線と点Bを通る直線が直交しその交点がP,として捉えることもできますが、直線APがx軸に直交する場合があり得るので、ここでは、""を、複素数平面上での回転で考え、機械的な計算ですませるアプローチでやってみます。
(1) ,です。複素数平面上で点A,点B,点Pを表す複素数をa,b,zとします。 と条件(b)より、点Bを点Aの回りに角回転し倍すると、点Pに来ます。よって、 よって、, ・・・@
これより、 ・・・A
よって、点Pは直線上の点で、直線の方程式は、 ......[答] 注.こうして答が出てしまうと、もっと簡単な解法があることに気付きます。直線の方程式より、と言っているわけで、なので、円周角で行けたということです。試験会場で最初からこのことに気付ければ、とがともに直角であることから、4点O,A,P,Bは同一円周上で、円周角の定理よりで一定なので、点Pは、直線OBと角αをなし第1象限上を通る直線上にあり、直線の傾きはで直線の方程式はと簡単に解答できます。
(2) @でがにおいてどのような変化をするのか(三角関数のグラフを参照)を調べればよいのですが、より、範囲:は、を含み、このときです。従って、においてははから1まで単調に増加し、においてはは1からまで単調に減少します。 ・・・(*) つまり、直線Aに沿って点Pは、時刻から時刻まで、点から点まで動き、その道のりはです。時刻から時刻まで、点から点まで引き返し、その道のりはです。
以上より、点Pが動く道のりは、 ......[答]
(3) @の不等式を与不等式に代入してみると、
(2)で検討したように、となるので、です。(2)の(*)より、においてはより,においてはより
よって、点Pは領域Dに入ることはありません(不等式の表す領域を参照)。 注.連立不等式:,により定まる領域Dというのは、 より、BかつC,つまり、を中心とする半径の円よりも内側であってかつを中心とする半径の円よりも内側、です。
上記の解答では、点Pの座標が、BまたはCのいずれかを満たさない、ということを示しました。
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